影響力

今日のパーソナルコンピューターには、次のような共通する特徴があります。マウスを使ってテキストやイメージをドラッグアンドドロップできるグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)と、ユーザーが複数のプログラムを同時に実行したり複数のアイコンを同時に開くことができる、プログラムやファイル、ウィンドウを表すアイコンです。

ソフトウェア開発者は、今日のプログラミングではオブジェクト指向技術やモデルビューコントローラフレームワークなどを扱います。オブジェクト指向設計のみが今日のコンピューター言語に多大な影響を与えており、複雑なアイディアをコンピューターソフトウェアにモデル化、概念化、および具体化する機能が単に大幅に向上しています。今日のコンピューター言語の大多数はオブジェクト指向のアイディアと技術を利用しています。

この技術はすべてXerox PARC で発明または開発されたものであり、すべて先駆けてSmalltalk に組み込まれたか、Smalltalk と共に利用されました。

Smalltalk の作成者たちは非常に高い目標をもっていました。彼らはSmalltalk を自然でシンプルで使いやすく設計しようと考えたのです。最終的に、Smalltalkは有効な手段となり、PARC の優秀な研究者が高度な目標を実現することを可能にし、そして基本的に、今日のコンピューティングの発明を可能にしたのです。

多くの言語でSmalltalk の明らかな特長が利用されていますが、その他の多くのSmalltalk 固有の機能はSmalltalk の価値として今ようやく認められるようになっています。Smalltalk の設計では、(ほとんどの従来の言語とは異なり)言語を再定義せずにSmalltalk の制御構造を更新できます。

Smalltalk は4つの主要領域でコンピュータープログラミングの広い世界に影響を与えています。まず最初に、他のコンピュータープログラミング言語の構文とセマンティクスに影響を与えています。次に、メッセージ送信スタイルとして知られるコンピュテーションモデルのプロトタイプとなりました。第3に、Smalltalk のWIMP GUI は20世紀終わりから21世紀初めのパーソナルコンピューターのウィンドウ環境に影響を与え、最初のMacintosh デスクトップのウィンドウはSmalltalk-80 のMVC ウィンドウとほとんど類似しています。 最後に、統合開発環境は、Smalltalk のコードブラウザやデバッガのようなビジュアルプログラミングツールを生成するモデルとなりました。

Smalltalk は、Ruby、Perl、Python などの最新のオブジェクト指向型プログラミング言語の中でもよく利用され続けています。実際、Cincom のVisualWorks® によって構築されたアプリケーションは2008年のOOP Dynamic Language Shootout を勝ち取るなど、最初のオブジェクト指向型プログラミング言語は今でも最高の水準を保っています。

このような理由から、Smalltalk の人気は高まり続けています。Smalltalk は今後数十年たっても確実に存在し続けます。

 

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